リストが続かないのは、書き方の問題であることが多い

やることリストが続かない理由は、意志の弱さよりも、リストそのものの書き方にあることがよくあります。「企画書」「歯医者」「年末調整」のような書き方だと、見るたびに「で、何をするんだっけ」と考え直すことになります。考える手間がかかる項目は後回しにされ、後回しにされた項目がたまると、リストを開くこと自体が嫌になります。

反対に、見た瞬間に最初の動作がわかる項目は、すぐ手を付けられます。ここでは、そういう項目に書き換えるためのコツを 5 つ紹介します。

1. 動詞から書く

いちばん手軽で、違いが大きいのがこれです。項目を名詞で終わらせず、「何をするか」を表す動詞で書きます。

  • 「歯医者」→「歯医者に電話して予約を取る」
  • 「企画書」→「企画書の見出しを 5 つ書き出す」
  • 「年末調整」→「年末調整の書類を会社のサイトからダウンロードする」

動詞で書くと、その項目が「やったか、やっていないか」をはっきり判定できるようになります。「企画書」は終わったのかどうかがあいまいですが、「見出しを 5 つ書き出す」は終わればすぐにわかります。終わりがはっきりしている項目ほど、消す気持ちよさも味わえます。

2. 1 件 1 行、具体的に

1 つの行に 2 つ以上の用事を入れないようにします。「銀行と郵便局に行って、ついでに買い物」は 3 件に分けます。まとめて書くと、1 つ済ませても消せず、リストが進んでいないように見えてしまいます。

大きすぎる項目も、1 行で終わる大きさに割ります。目安は「一度座ったら終えられる大きさ」です。「引っ越しの準備」は何十もの作業の集まりなので、「不動産会社に退去日を連絡する」「段ボールを 20 枚もらう」のように、最初の 1 歩を書き出しておきます。全部を最初に書き切る必要はありません。次にやる 1 件がわかれば十分です。

あわせて、必要な情報も行の中に入れておくと、取りかかるときに探さずに済みます。電話番号、締め切り、持ち物などです。

3. 2 分で済むことは、書かずに今やる

David Allen の『Getting Things Done』で知られる「2 分ルール」です。思いついた用事が 2 分以内に終わるなら、リストに書かずにその場で済ませます。メールに一言返す、書類を所定の場所に置く、明日の天気を確かめる、といったことです。

理由は単純で、2 分で終わる用事をリストに書くと、「書く」「あとで読む」「思い出して判断する」の手間のほうが、用事そのものより大きくなるからです。小さな用事がリストから消えるだけで、リストは本当に考えるべき項目だけになり、見通しがよくなります。

ただし、2 分ルールは「今やれる状況なら」の話です。会議中や移動中で手が離せないときは、次のコツのとおり、ひとまず書き留めておきます。

4. 思いついたら、その場で 1 か所に書く

「あとで書こう」と思った用事は、たいてい忘れます。思いついたらその場で書くこと、そして書く場所を 1 か所に決めることが大切です。

手帳、付箋、メモアプリ、カレンダー、と書く場所がばらばらだと、「どこかに書いたはず」を探す時間が生まれ、全体を見渡せなくなります。紙でもスマートフォンでもかまいませんが、「やることはここに入れる」と決めた場所を 1 つだけ持ちます。iPhone なら、純正の「リマインダー」アプリを 1 か所にするのも手軽です。

その場で書くときは、きれいに書かなくてかまいません。まず入れることを優先し、動詞で書き直したり分けたりするのは、あとでまとめてやれば十分です。この「あとでまとめて整える」時間を週に 1 回持つ方法は、週 1 回 10 分の見直しで紹介しています。

5. 「やったことリスト」も付ける

やることリストだけを見ていると、残っている項目ばかりが目に入り、「今日も終わらなかった」という気持ちで 1 日を終えがちです。そこで、終わったことを書き残す「やったことリスト」を並べて付けます。

書き方は簡単で、1 日の終わりに、その日に済ませたことを箇条書きにするだけです。予定していなかった用事を片付けた場合も書きます。リストにチェックを付けて残しておく形でもかまいません。

職場での日々の記録を分析した研究者は、意味のある仕事で少しでも前に進んだと感じた日は、気持ちややる気が上向きやすいと報告しています。小さな前進を目に見える形で残しておくことは、翌日リストを開く気持ちを支えてくれます。

書き換えの例

最後に、よくある書き方を 5 つのコツで書き換えた例です。

  • 「車検」→「ディーラーに電話して車検の日を決める(11 月 20 日まで)」
  • 「母の誕生日」→「母の誕生日プレゼントの候補を 3 つ選ぶ」
  • 「部屋の片付け」→「机の上の書類を 1 か所に集める」
  • 「確定申告」→「寄附の受領証明書を 1 つの封筒にまとめる」

書き換えたら、次は「いつやるか」を決めます。時刻の決め方は「あとでやる」を時刻に変える方法で詳しく紹介しています。

まとめ

  • 項目は動詞から書き、終わったかどうかがわかる形にする
  • 1 件 1 行。大きな項目は最初の 1 歩に割る
  • 2 分で済むことは書かずに今やる
  • 思いついたらその場で、決めた 1 か所に書く
  • やったことも書き残す

全部を一度に変える必要はありません。まずは今のリストの項目を 3 つだけ、動詞から始まる形に書き直してみてください。

出典

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