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GPS の速度はどこまで正確? 速度が跳ぶ・止まる理由

GPS スピードメーターの数字が急に跳ねたり、トンネルで止まったりするのはなぜか。スマートフォンの GPS の精度と、速度の出し方から順に説明します。

· 合同会社ライトニング

スマホの GPS の精度は「開けた空の下で約 4.9 m」

アメリカ政府の GPS 公式サイト(GPS.gov)によると、GPS を使えるスマートフォンは、開けた空の下で典型的に半径 4.9 m 以内の精度があります。一方で、次のような場面では精度が落ちます。

  • 建物・橋・木などで衛星からの電波がさえぎられる
  • 屋内や地下で使う
  • 建物や壁で反射した電波を受ける(マルチパス)

位置が数 m ずれれば、そこから計算する速度もずれます。GPS の速度は便利ですが、誤差と遅れがある参考値だと考えておくのが基本です。

GPS の速度はどうやって出しているのか

衛星測位の専門誌 Inside GNSS の解説によると、受信機が速度を求める方法は主に次の 2 つです。

  • 位置の差分:2 つの時刻の位置の差を、経過時間で割る。いちばん単純ですが、位置の誤差をそのまま引き継ぐため、精度は秒速数 m 程度にとどまります。
  • ドップラー効果:衛星と受信機が近づく・遠ざかることで電波の周波数がわずかにずれる(ドップラー偏移)。この「ずれ」から速度を計算する方法で、精度は秒速数 cm 程度まで上がります。

どちらの方法をどう組み合わせるかは端末によります。iPhone のアプリが受け取る速度は、Apple の開発者向け資料では「端末の瞬間の速度(m/s)」と説明され、位置情報の更新のあいだにも実際の速度は何度も変わるので、あくまで参考情報として使うよう書かれています。値が負のときは「速度が無効」という意味です。

iPhone は複数の衛星システムを使う

いわゆる「GPS」はアメリカの衛星システムの名前ですが、iPhone はほかの国や地域の衛星も使います。たとえば iPhone 17 の技術仕様には、GPS・GLONASS・Galileo・QZSS(みちびき)・BeiDou・NavIC が並んでいます(対応は機種によって異なります)。使える衛星が多いほど、空の一部が建物で隠れても測位を続けやすくなります。

速度が跳ぶ理由:ビル街とマルチパス

高いビルに囲まれた道では、衛星が見える範囲が狭く、ビルの壁で反射した電波が混ざります。すると位置が一瞬ずれ、その差が「急に速くなった」ように表示されます。止まっているのに数 km/h が出る、信号待ちで速度が揺れる、といったことも起こります。

とくに注意したいのが最高速度です。一瞬の跳びがそのまま記録に残り、ありえない最高速度になることがあります。乗り物の性能や道路の状況から見て不自然な数字なら、GPS の跳びを疑ってください。走行全体の様子は、最高速度よりも平均速度のほうが落ち着いた数字になります。

速度が止まる理由:トンネル・地下・屋内

トンネルや地下、建物の中では衛星の電波が届きません。表示が止まる、または 0 になるのは故障ではなく正常です。外に出て空が見えれば、しばらくして測位が戻ります。地下鉄や長いトンネルの多い路線では、途中の速度は測れないものと考えてください。

歩く速さで速度が揺れる理由

時速 4 km で歩くと、1 秒に進むのは約 1.1 m です。位置の誤差が数 m あると、1 秒あたりの移動よりも誤差のほうが大きくなり得ます。そのため、歩く・ゆっくり走るといった低い速度では、数字が上下に揺れやすくなります。ランニングのペースを見るなら、瞬間の速度より、ある程度の距離を走ったあとの平均が目安になります。換算はkm/h・mph・ノット・m/s の換算早見表にまとめています。

GPS の速度を安定させるコツ

  1. 出発前に、空の下で少し待つ。アプリを開いてすぐは測位が安定していないことがあります。屋外で空が見える場所に少し置いてから動き出しましょう。
  2. 空が見える場所に置く。列車なら窓際の席、船ならデッキや窓の近く。カバンやポケットの奥では受信が弱くなります。
  3. トンネルで止まっても慌てない。出れば戻ります。
  4. 不自然な最高速度は割り引いて見る。街中で記録した最高速度は、跳びが混じっている可能性があります。
  5. 車のメーターと比べない。車の速度計には実際より低く表示しない作りの基準があり、GPS と少しずれるのが普通です。詳しくは車のメーターと GPS の速度が違う理由をどうぞ。

運転する人は見ない

日本の道路交通法第71条第5号の5は、自動車・原動機付自転車・自転車の運転中(停止中を除く)に、持ち込んだ画面の画像を注視することを禁じています。GPS の速度を見るのは同乗者か、止まってからにしましょう。運転中に従うのは車のメーターです。

出典

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